多田亜樹博さんから鈴木定さんへの質問
Question
(@+ 多田亜樹博さん)paceさんって、すごくアットホームなイメージがあります。
遊ぶとこ遊んで、締めるとこ締めてるという印象なのですが、
どうやってうまくメリハリをつけているんですか?
あと、アットホームな雰囲気を出すために
普段気にかけていることって何かありますか?
Answer
(pace 鈴木定さん)そうですね。
うちのお店は
アットホームですね。
僕も以前、
大手の会社の、大きな美容院で働いていたんですが、
どうしてもスタッフやスタッフのやっていることが、
目の届かない範囲にいってしまうことがあると、
感じていたんですよね。
なんというか、
上と下との間に、
なんとなく見えない隙間があいてしまうというか。
それで僕としては、
家族のような店を作りたいなーって、
そんな風に思って、
今のお店を始めたんですね。
だから、
スタッフを家族のように思っています。
家族のように思っている……
というよりも、
もはや家族です。
一人ひとりの幸せを考えちゃうし、
あの人たち(スタッフたち)の幸せが、
僕の幸せ。
そんな風に感じています。
だから
アットホームっていうか、
ホームなんですよね!
そういうホームを作るために
何か気にかけていることって、
別にないんです。
だって、家族だから!
そのかわり、採用段階でのハードルは
結構高いと思います。
うちは採用の面接は全員でやるんです。
今うちのスタッフって12人いるんですが、
全員でみて、
全員が一緒に働きたいと思ったやつしか採用しない。
一人でもダメだと思う奴がいたら、
これから先やっていくのにこまるので、
とりません。
だからなかなか採用者は決まりませんね。
でも採るか採らないかは
結構早い段階できまりますよ。
履歴書見て、
あまりにもつまらなさそうなこと書いてると
やっぱり、落としちゃいますし。
受けに来る方は大変だと思います。
12名に囲まれて、
「ちょっとものまねとかできる?」って、
いきなり言われることもありますから。
でも、これ別に意地悪してるわけじゃなくて、
そういう突発的なことにも、
ちゃんと対応できるかどうかをみたいから
っていうのがあるんですよ。
それに、
僕らってすごく個性的なメンバーが集まってると思うし、
正直あくの強い店だと思うから、
そこにちゃんと入りこんでいける空気を、
持っている子なのかどうかを見たいっていうのもあるんですね。
逆に入り込めない子を採用しちゃうと、
その子にとっても不幸だと思うんです。
だから本当に
採用のハードルは高いと思います。
でもしかたないですよね。
だって、家族になるんですもん。
妥協して人を採用するわけにはいかないじゃないですか。
家族として受け入れるからには、
当然審査もきびしくなりますよね。
そんなわけで
今いるスタッフはみんな家族。
盛り上がる時はとことん盛り上がれるし、
すごく仲がいいけど、
だからって、なーなーになっちゃ
やっぱりだめです。
「人として」。
「お店として」じゃなくて、「人として」。
人として、やっちゃいけないことはやらない。
お互い気を使わなきゃいけないことはちゃんと気を使う。
そういう
人としての当たり前の部分は、
子供じゃないんだから、ちゃんとやりなさいよ、
って、それだけは考えてもらってます。
楽しんでいる時だって、
人と人同士、
気を使いあう部分って必要じゃないですか。
まして、仕事でふざけたりだらだらしないのなんか
言うまでもない当然のこと。
仕事や勉強のことに関しては、
僕、厳しいですよ。
でも仕事でも
いちばん大事なのは、
人のことを考えてあげれているかどうか。
それに関しては特に厳しくしています。
厳しくったって、がみがみ怒るわけじゃないですけど。
怒るのって、
怒る方だって気持いいものじゃないし、
好きじゃないので、
自分としても嫌じゃないやり方でやってますね。
大体は機会を設けて話をするんですが。
相手によって、
その人その人に合った言い方ってあると思うんで、
時と場合によるというか、
そこら辺は僕自身も
随時相手のことを考えて、
話をしています。
でも、
もう僕自身から話をするというよりは、
下の子たちから、
さらに下の子たちに、どんどん言っていける状況に
していきたいと思っているんですね。
役割をしっかり意識して、
影響力を持っていってほしいと思っています。
その方が、自分たちがやっているんだ、
自分たちのお店なんだっていう気持ちが、
持てるんじゃないかなと思うんですよね。
僕の役割は、
お父さんじゃ、もうないんですよね!
ひいおじいちゃんです(笑)。
というか、
ご先祖様かな!
ご先祖様の教えや築いたものは、
代々受け継がれていくもの。
それをみんなに頑張って受け継いでほしいなと思っています!
宮川克也さんから多田亜樹博さんへの質問
Question
(Liike 宮川克也さん)多田さん、お世話になっています!!
@+さんは男性の美容師が多いサロンだと思います。
男性ならではのパワーやエネルギーの強さを感じるのですが、
きっと反面、ご苦労もおありかな、とも思います。
男性美容師をうまくまとめ、
それぞれのパワーやエネルギーをうまくチームワークにつなげていく、
多田さんならではのやり方を教えてください。
Answer
(@+ 多田亜樹博さん)んー、難しい質問ですね。
うちはそうですね、
フロント以外全員男ですね。
男ばかりで苦労しているところっていうのは、
そんなにないというか、
女性でも男性でも
同じところが多いと思うのですが、
強いていうと、
やっぱり男性の方が、
女性に比べて野心があるので、
その野心を、
「お店をよくしよう」という方向に
向けていく必要がある……
というところですかね。
野心を持つこと自体は
全く悪いことだとは思いません。
むしろすごくいいことだと思うんですけど、
お店をやっていくためには、
みんなで同じ方向を向いてやっていくことが
どうしても必要なんですね。
みんなで同じ方向を向くのって
すごく難しいことなんですが、
逆にそれができたときは、
大きなパワーになると思うんです。
だからみんなで同じ所を目指していきたい。
その目指すべきところが、
経営理念だったり
経営方針だったりするんですけど。
野心っていうのは
人それぞれ持っているものだけど、
詰まるところまで突き詰めていくと、
みんな結構同じ所に
たどりついていくものです。
もちろん一人ひとりに、
野心を聞いてみれば、
給料をあげたい、だったり、
一流の誰もが認める美容師になりたい、だったり、
お店を持ちたい、だったり。
みんなバラバラなんですよ。
でも、「じゃあそれは何のため?」
ってそこまで突き詰めていくと、
同じような答えにいきつくんですよね。
将来のため……。
お金のため……。
結局、みんな同じ思いでやっているんです。
だとしたら、
一人でやるよりも、
みんなでやった方が
効率もいいし、
達成した時の喜びも大きい。
それを、
今みんなで働いている
@+でやっていこう。
そういう風に、
考えを一歩深く掘り下げてみてもらえば、
バラバラだった野心が
1つの方向にまとまっていくと思うんですね。
@+ってみんなのお店なんです。
ただその中で代表として僕が立っているだけで、
みんなが一人ひとり、
「自分のお店だ」と思っていてほしいんですね。
だから僕は、
経営的な部分、数字的な部分も、
みんなにある程度把握しておいてもらいたいと思うし、
一緒に考えていってほしいと思っています。
なのであえてそういう話をしています。
目指す方向を1つにしていく為に、
一人ひとりと話をして、
気持ちを聞くことはもちろん、
いつだってしているけど、
僕の方が相談に乗ってもらうことも、
結構あるんですよ。
これは本当に男女関係なく
@+で働いている全スタッフに
共通して言えることです。
@+を大きくすることが、
自分の野心、
夢の達成と
イコールで結ばれているんだということに、
ちゃんと気づいて
みんなでそれに取り組めたら、
それが一番いいんじゃないかと思いますね。
だから、
何の野心もなくて、
「僕は普通でいいんです。」
なんていわれちゃうと、
逆に困るし、とても残念。
男ばっかりで
主張が強くてぶつかりあっても、
それはそれでいいと思います。
ただ、
何か怒られたり、指摘された時に、
「何で怒られたんだろう?」って
なっちゃったらよくないですね。
何で怒られたのか、
わかってないと駄目。
これがこうだから怒られたのかっていうのが
ちゃんとわかっていれば、
たとえどなられたって、
消化できると思うんですね。
結局はお客様のため、
お店のため、
そこで働く自分のために、
怒られているんですが……。
そういう部分が伝わってないと、
怒っても、怒られても、
意味がないですよね。
お店の中では何かあれば、
本当にすぐにミーティングして、
コミュニケーションは結構頻繁にとっています。
だから
トラブルっていうのはほとんどないですが、
まぁ、仮にあったとしても、
それにすぐ対応できるような体制ではあります。
今いるスタッフって、
将来的にお店が大きくなっていった時には、
幹部になってもらうことになると思うんです。
だから僕もそのつもりで接してる。
今アシスタントだとしても、
そのうちどこかしらにお店を出した時には
その店長にしていくつもりでいるので、
今のうちから経営的な部分も
どんどん見せていってるんですね。
うちも別に、
男性しかとらないって、決めてやっているわけじゃありません(笑)。
女性のスタッフも今後増えていってほしいと思っています。
男性ばかりだと、
ともすると、がさつになりかねませんから(笑)。
女性ならではの繊細さも取り入れて、
もっとお店をよくしていけたらと思っています。
高橋真以子さんから宮川克也さんへの質問
Question
(RITZ SHIMOKITAZAWA 高橋真以子さん)Liikeさんが少人数でやられている中で、
お店のチームワークについて、
一番重視していらっしゃる点を、教えてください。
Answer
(Liike 宮川克也さん)高橋さん、
今度ご飯でも食べに行きましょう!!
うちのサロンは今6人でやっています。
「チームワーク」という響きが
ピッタリはまる感じの人数ですよね。
この6人は、
一人ひとりが、
いいメンバーというのか、
すごく素敵な人間が集まってくれたなって
思っています。
本当にこのメンバーでやれることになって
良かったなと、
そんな風に思っているんですね。
どんなお店でもそうだとは思うんですが、
少人数でやっているからこそ余計に、
一人ひとりが大切な存在です。
それはお店にとってもだけど、
お客さまにとっても。
でも、一人ひとりには、
当然個性や個人差っていうものがありますよね。
仕事として考えた時に、
すごく優れた部分もあるし、
まだまだ任せるには至らない部分も
やっぱりある。
そういう中で、
チームワークをとっていく際に
大事なのはやっぱり、
すぐれた部分を伸ばすやり方をしていく
ってことだと思うんですね。
なんていうんですか、
個々の優れた部分に
仕事の方を当てはめていってあげる……
というか、
そんな感覚です。
例えばプロサッカーでも
プロ野球でも、
チームの中で
一人ひとりに役割があるじゃないですか。
それぞれの部分において、
一人ひとりが
プロフェッショナルな仕事をする。
そういうプロの集団。
それと同じように、
個々に自分のいいところを活かせる仕事をして、
その仕事においての、
プロフェッショナルになってもらえれば、
と思っているんです。
そんなプロフェッショナルな個人が
チームワークとして横につながって、
総合的にみると強いチームになっている。
そういうイメージです。
だから、
一人ひとりの劣っている部分を早く伸ばそう!!
というよりは、
いい部分を伸ばして、劣っている部分はフォローし合おう!!
というスタンスでやっているんですね。
このスタンスで、
チームワークがいい形に作れているなと思っています。
だけど、
じゃあできることだけしかやらないって言うのは
ちがうんですよね。
もちろん、
不得意な部分に関して、
根気良く取り組んで克服してもらう努力も、
個人個人してもらわなきゃいけません。
僕の仕事は、
そのための指導をしていくことだと思っています。
チームワークって、
ただ仲良しっていうわけにはいかなくて
時には厳しく、
時にはぶつかることもあるんですね。
問題を提起したり、
問題を解決したり、
そういうことをしながら、
メンバーは一回り大きくなる。
それがすごく大切だと思っています。
僕達は美容集団であって
「友達」とは
違うんですよね。
別々の目的があって、
何も同じ目指すものがなくたって、
つながっていける、
それが友達。
素敵な美容師になりたい、
素敵な美容室を作りたい、
そういう、同じ目的によって、
つながれている、
それが、僕ら美容集団です。
「じゃあ分かった、いいよいいよ。」
っていうのでは、
終わらせられない間柄。
笑ってごまかしちゃ、いけない間柄なんです。
お互い尊敬しあいながらも、
厳しくお互いを指導していかなきゃいけない。
そういうチームワークができていれば、
お互いに成長でき、
いい美容師になっていけると思います。
でもその部分をごまかしたり、
普通に言いあえないってなってしまったら、
お店も良くならないし、
それぞれ成長することもできないと思います。
だからコミュニケーションをとることも
とても大事にしています。
気持の部分で言うと、
やっぱり全員がモチベーションを
高くもって、
みんなで1つになれているのが一番いいんだけど、
ずっと上がりっぱなしでは、いられなかったりもしますよね。
下がることだって、当然あります。
でも少人数だと、
下がるとすぐにわかる。
「この子今さがってるな」っていうのが
すぐ、みんなにわかってしまうんですね。
そういう状態に気がついたら、
みんなで下がっちゃうんじゃなくて、
みんなで上げていくようにしています。
僕だったり若いスタイリストだったりが、
すぐに声をかけて話をします。
時には時間をとってじっくり話すこともあります。
そうすると、
案外すぐに調子が良くなったりするんですね。
そういうところでも、
やっぱり話を聞いたり話をするってことは
大切だなと感じます。
少人数だと、
一人ひとりの影響力も大きいけど、
気がついたり話をしたりっていうのが、
しやすいって言うこともあるんですね。
そこはメリットだと思っています。
ミーティングもちょくちょくします。
少人数だから、すぐに話ができるし、
その場で解決することも多いんですが、
全員にバランスよくは、話せないから、
やっぱりミーティングは大事なんですね。
丸く円になることで
解決されていく問題も
たくさんあるんです。
松下剛さんから高橋真以子さんへの質問
Question
(Xel-Ha 松下剛さん)RITZさんの名前が持つ、
ブランド力ってすごく強いものがあると思います。
歴史もとても長いですよね。
それだけのブランド力を、これだけ長い期間持ち続けるために、
どのようなチームワークでやってこられたのか、
どのような努力をされてきたのか、
お聞きしたいです。
Answer
(RITZ SHIMOKITAZAWA 高橋真以子さん)RITZの場合は、
金井という社長がいて、
社長が始めたこの会社を、
みんなで盛り上げていこう!
という気持ちを、
一人ひとりが強く持っていることが
ブランド力につながっているとおもいます。
他のサロンも、もちろんそうだと思うんですが。
やっぱり、そういう意識の高さって大事なんですよね。
みんなが、会社を盛り上げたい!
という気持ちを持っているから、
みんな社長の要望にちゃんと耳を傾けて
誠実に実行してくれます。
ただ、何もなしにそうあってほしいといっても、
それは難しい話ですよね。
みんなに意識を高く持ち続けてもらうためには
いろいろな取り組みや工夫が必要だと思います。
まずRITZには
大きな6つのミッションと
3つのビジョンがあります。
ミッションとビジョンは、
同じ「目標」みたいなものではありますが、
別のものとして、分けて考えています。
ミッションは使命です。
使命は黙って全うするものなので
ここではお話ししませんが(笑)。
ビジョンは
1番、
日本の美容文化を世界に発信する。
2番
RITZのお客様は、誰からもオシャレだと思われる人たちになってもらう。
3番
美容を一番のサービス業にする。
この3つです。
みんながこのビジョン、ないしミッションを、
共通の目標というか、
未来像として持っているんですね。
これは本当に昔からそうで。
昔からブランド力をあげるために、
みんなで同じ目標に向かって、
がんばってやってきているんです。
そうやって目標がちゃんと見えているから、
意識を高く持ち続けられるんだと思います。
で、高い意識を、
維持するのに欠かせないのが、
チームワークなんですよね。
そのチームワークを高めるための取り組みも、
もちろんあります。
RITZにはクレドというものがあるんですが、
これは社訓のようなものですね。
以前、業界誌でも紹介されたことがあります。
現在38項目あるクレド。
その内の1つをとりあげて、
毎朝の朝礼で、
「クレドの時間」というのを設け、
みんなで話し合っています。
その日に話し合う内容は、
全店で共通しています。
つまり他のお店にいても、
クレドの時間には、
同じ文章について
話をしていることになります。
同じ時間に、同じ文章をシェアすることで、
すごく一体感が生まれて、
気持の統一が図れていると思います。
これをもう8年くらいですかね……
ずっと続けています。
クレドの一部をご紹介すると、
1番、
「私たちのミッションは、
たくさんのファッション、メイク、ヘアの情報を持ち
新しい時代のパイオニアとなって
クライアントに対して、
常に情報を発信し続けます。」
あとは、
4番、
「私たちは、チームワークを重視します。
チームメンバーは尊敬できる友人です。
そしてクリエイティブな発想のできる環境づくりを怠りません。」
今回のテーマにピッタリなのありましたね(笑)。
と、まぁ、
こんな感じです。
こういうのを、
1日1つずつ話し合い、
ブレーンストーミングしたり……。
クレドの時間は
意識の統一を図るのと同時に、
意見交換ができる場でもあります。
あと、朝礼の中には
『GOOD AND NEWS』という時間もあります。
これは、24時間以内にあった
新しくて良いことを発表する時間です。
サロンワークや仕事のことでもいいし、
私生活のことでも、もちろんかまいません。
これをやることで、
朝から明るい気持ちで、
コミュニケーションをとることができて、
1日を上手にスタートできています。
これ、いいですよ。
ぜひやってみてください。
こういうチームワークをあげるための取り組みや、
意識を高く持ち続けるための取り組みは
まだまだ、たくさんあります。
その成果もあって、
スタッフ全員がRITZっていうブランドを、
もっとたくさんの人に知ってもらいたい
っていう思いでやれています。
そんな思いがあるから、
もっとこうした方がいいのではという、
新しい意見や要望もどんどん出てきます。
それに対して、
社長の金井は忙しくても、親切に耳を傾けてくれるし、
スタッフみんなの思いが形になるように、
新しいことに取り組んでいってくれています。
もちろん、
ミッションに対する妥協は
一切しないけれど、
そうやって、スタッフ全体で、
切磋琢磨する関係は
しっかり築けていますね。
それがブランドの根底にあるから、
これだけ長く続けてくることが、できたのかなと思います。
河野悌己さんから松下剛さんへの質問
Question
(drive for garden 河野悌己さん)うちも今、GARDENとdrive for gardenで、
2店舗に分かれてやっています。
Xel-Haとafloatも、2つに分かれてやっていると思うのですが、
2つのブランド間の棲み分けは、どのようにしていらっしゃいますか?
サロンそのものが1つの大きなチームワークだと思うので、
チームとして、サロンとして、
お聞かせ願いたいと思います。
Answer
(Xel-Ha 松下剛さん)なかなか難しい質問ですね!
うちの場合は
2つのサロンを
1つ1つ別のサロンとして、
完全にイメージを分けています。
afloat-fでは
カジュアル・ナチュラルのテイストをとりいれた
お店づくりをしていってるのに対し、
Xel-Haでは
ラグジュアリー感を出したお店づくりを
目指していってるんですね。
Xel-Haだと少し料金も高めですので、
その分いらっしゃるお客様も
大人の方が多いんですね。
なのでお店全体の雰囲気も大人っぽく引き上げて、
お客さまに満足してもらえるように、
と考えています。
スタッフの服装ひとつとっても、
ラグジュアリー感を感じて頂けるよう、
みんなで意識するようにしています。
打ち出すヘアスタイルのテーマも、
2つのサロンでは全く別のものにしています。
今季で言うと、
afloat-fのテーマは「舞髪」。
表面の毛がふわふわと舞うようなスタイルというところから、
こういうネーミングになっています。
ボリュームはあるけど
エアリーで動きのあるスタイル。
指を入れてぼさぼさっとした時に、
ふわっと舞う、
作りこみすぎない、
でもナチュラルすぎない、
そういうスタイルを狙っています。
それに対して
Xel-Haの今期のテーマは「ラグロマ」。
「ロマ」は、ボヘミアンの類似語です。
「ロマンティック」の「ロマ」と間違えられやすいのですが、
全然違う意味の言葉です(笑)。
ラグジュアリーであり、
ボヘミアンである……
というと少し難しいのですが……
表面にはツヤ感を残しつつ、
毛先の方はラフに崩した感じ。
しっかりコテでまいたというよりは、
手ぐしで通したようなざっくりしたスタイル。
そこを狙っています。
このテーマは、
打ち出す時期だけは合わせますが
全体で2つのテーマを決めるのではなくて、
それぞれの店舗ごとに、
その店のスタイリスト同士で
話し合って決めています。
それを合同のスタイリストが集まる発表会で
代表の宮村に発表します。
そこで最終的に
宮村がOKを出してくれれば決定します。
ダメな時は「ダメ!」と、
ズバッと切られることも、ありますけどね(笑)。
そういうときはもう一度ミーティングしなおしたり
そんな風にしています。
そういう
スタイリスト同士のミーティングや、
幹部同士のミーティングっていうのは、
もちろん合同でやっています。
でも、スタイリストになるためのカリキュラムや、
テスト、勉強会などは、
あえて合同ではやらないようにしています。
今自分のいる店舗の色や、イメージを、
アシスタントの子にも
しっかり覚えてほしいと思っているので、
そういうやり方をしています。
もちろん全く違うというわけではなく、
根幹にある大事な部分は一緒なのですが、
わざと出している違いというのがあるので、
その部分がなるべく混ざり合わないようにしたいんですね。
その方がお互い刺激になると思うんです。
違うサロン同士としてやっている方が、
新しいものが発見しやすいので。
いい意味で競争しつつ、協力しつつ……
といったところでしょうか。
ちなみにXel-Haでは
「距離の近い指導」
「距離の近いコミュニケーション」
というのを、とても大事にしています。
ほとんどマンツーマンに近い形で
すぐ目の前に教える相手を立たせて、
「ここはこうやって巻いた方がいいよ」とか
「こういうときはこういう風にしています」っていうのを
実演するというか、
話しながら見せながら、
臨場感をだして教えるんですね。
例えば、1枚の写真を見せ、
それをじっくり時間をかけて解析するとか、
そんな教え方をする時もあります。
そうやって距離の近い指導をし、
コミュニケーションをとることで、
技術の浸透も高まると思っています。
そういうやり方だと、
逆にバラバラになっていないか
と思われるかもしれませんが、
本当に大事な部分では
しっかり結びついているというか、
大元の部分はやはり一緒なので、
そこの結び付きは強固なものとしてあるんですね。
これは同じやり方をしているところなのですが、
1つのお店に1人
アシスタントリーダーというのを立てることにしています。
このアシスタントリーダーの存在ってすごく重要ですよ。
アシスタントの人数はかなりたくさんいるのですが、
とてもよく全体をまとめてくれています。
アシスタントリーダーは、
アシスタント界の、総理大臣のような存在なんですね。
その下にサポーター役というか、
「掃除大臣」
「練習大臣」
「モラル大臣」
など、それぞれの部門で大臣を1人ずつ立てています。
アシスタントは内閣のような仕組みになっているんですよ。
この仕組みによって、
各々の店舗、
すごくうまくチームワークがとれていると思います。
アシスタント同士で
アシスタント間のまとまりを
しっかりつくってくれているので、
全体がまとまりやすいんだと思いますね。
あとレクリエーション的なイベントは
合同でやるんですね。
楽しい行事や節目の行事は、
全体でやることによって連帯感を感じられるようにしています。
例えば歓迎会とか、
忘年会とか、そういうものですね。
来月も、球技大会をひかえているんですよ!
あと、半年に一回は
フォトコンテストを合同でやったりもしています。
そうやって1つのサロンが2つに分かれたというよりは、
もともと2つあった別々のサロンが、
1つの支軸をもとにくっついている
という感覚でやっているので、
棲み分けというのは、
比較的しっかりできているのかなと思っています。
三笠竜哉さんから河野悌己さんへの質問
Question
(Tierra 三笠竜哉さん)悌己君が考える「理想のチーム」とは、
具体的に、どんなチームですか?
そしてそのビジョンを末端のスタッフまで
どのように伝えていっていますか?
PS、忙しいとは思うけど、今度お店、遊びに来てね!!
Answer
(drive for garden 河野悌己さん)三笠さん、いつもお世話になっております。
ご質問ありがとうございます。
お店にはすぐ行きます!!
ええ……
理想のチーム……。
チームというか、お店になってしまうんですが、
1つとしては、
デザインをし続ける集団であること。
デザインを常に考えて、
それを出せる場所を常に設けることができる
そういう美容師の集団でいたいですね。
もう1つ、
これは目標というか夢みたいなものですが、
会社としても、
個人としても、
みんなが目指すべきものをちゃんと持っていて、
同期でも先輩でも後輩でも関係なく、
お互いにお互いが、
今どういう状況でどこに向かって走っているのか、
お店が今、どういう状況でどこに向かって走っているのか、
そういう現状と方向性を
把握し合っている。
そういう状態が理想ですね。
最初の方の、
「デザインし続ける」っていうことに関しては、
日々のサロンワーク、
お客様との接し方、
仕事をしているスタンスそのものから
感じてもらえればと思ってやっています。
もう1つの理想に関しても、
僕はあまり言葉でうまく伝えられる部分ではないので、
ヘアスタイルを作り続けること、
お客様と関わりその姿を見せていくことで、
その空気感だったり仕事に対する姿勢だったりを
伝えたいと思っているんです。
ただ「背中を見せて」っていうだけでは
難しい部分も、もちろんあるので、
僕よりもみんなに近い立場である店長を通して
言葉で伝えてもらうっていうこともあります。
あとはサロンワーク以外でも、
小人数だったり、
時には大人数だったりもするんですが、
スタッフと美容の話をしながら
ご飯を食べたりするんですね。
そういう時に、
僕の考えているチームワークについての話を
結構しています。
逆に話を聞いてあげたりもして、
そういう機会に、
密にコミュニケーションをとるようにしています。
そうやって歩調を合わせて
同じ方向にベクトルを向かせて……
サロンとしての目指すべきところに
一緒に向かっていけるように
図っていく感じですね。
とはいっても、
これだけ人数もいるので、
頑張っている人間もいれば、
頑張れなくなりそうな人間もいるんですね。
そういう、
頑張れなくなりそうな人が
辞めないお店づくりを
考えていかなきゃいけないと思っています。
チームは、
だんだん人数を増やし、
大きくなっていかなきゃいけないと思うんですよ。
同じメンバーでずっとやっていれば、
もちろん強靭なチームには
なっていくと思うんですが、
新しいものって生まれにくくなってしまう。
だから増えていき続けることって、
大事なんだと思うんですね。
人が増えることによって、
いろんな考え方がアップデートされて、
どんどんキャパが広がって、
チームがより良くなっていくことが
望ましいと思っています。
だから、辞める人を出したくないんですよね。
で、辞めちゃう時って
なんで辞めたいと思うのかなって考えると、
やっぱりつまんなくなっちゃったからなんだと思うんですね。
もし僕が「辞めたい」と思うとしたら、
それはつまんないとか、
やりがいを感じないって思う時だと思うんです。
多分、やる気があるんだけど、
責任を持たせてもらえなかったり、
仕事を任せてもらえなかったりすると、
面白くないと思う。
「頑張っているのに報われない」
そんな思いが度重なっていくと、
「つまらない」
「やりがいがない」、
そんな不満につながって、
「辞めたい」という思いになってしまうのかなと思うんですよね。
そういう兆候を感じたら、
すぐに一人ひとりと話をしたり、
他のスタイリストからも声をかけてもらえるようにしたり、
常に話してあげられ、話を聞いてあげられる
そんな状況を作るようにしています。
幸いにも、
うちのサロンに入ってきてくれる美容師さんって、
みんな意識のレベルがとても高い人が多い。
だからうちの場合は、
そのやる気をちゃんと見出して
活かしていってあげることができれば、
人の辞めにくいお店になっていくのかなと。
そう思っています。
やる気がある子なのに、
放ったらかしにしてしまったり
何もやらせてあげないままにしておくと、
「俺ってこの店にいても意味ないのかな?」
っていう原因になってしまうんですよね。
なので、
一人ひとりが役割のようなものを
しっかり感じられるよう、
上の立場の人間が、
ちょっとリードしてあげることが大事なんです。
意欲はもっているので、
それを突き動かすひと押しを、
加えてあげる。
そうしたらあとは自分だけでも頑張れたりするものです。
で、またがんばれなくなったら、
また押してあげる。
その繰り返しで、
いつか押さなくてもいい日が来ると思うんですね。
今の子ってどちらかというと、
ものすごくエネルギーがあって
「いくらでも頑張ります!!」
みたいな子って、
少ないんですよね。
やる気があって、
意欲もあって、
サロンに来るんですけど、
「まぁいいや」ってなっちゃう時が
結構ある。
でもその「まぁいいや」っていうのを、
減らしていくことが、
理想のチームワークを作ることに
つながっていると思うんです。
時には休むことだって必要ですが、
常に前向きな気持ちを持ち続けて欲しい。
そうやって前を向かせていくのが、
上の人間の仕事なのかな、
と思っています。
榊原章哲さんから三笠竜哉さんへの質問
Question
(Bivo 榊原章哲さん)拡張移転、おめでとうございます!!
チームワークって、いろいろあると思うのですが、
アシスタント間のチームワークだったり
スタイリスト間のチームワークっていうのに関して、
代表として三笠くんはどんなふうに考えていますか?
Answer
(Tierra 三笠竜哉さん)質問ありがとうございます。
いろんなチームワークがあると思うのですが、
Tierraのお店全体としては
「お客様に感動を与える」をテーマにして
やっています。
「感動させる」って、
結構当たり前に使っている言葉だし、
口に出すと簡単そうに聞こえてしまうんですが……
僕は
安心→安心→安心→安心……
その積み重ねの最後にある喜び。
それが「感動」だと考えています。
その中に、1つでも
不安が入ると、
最後の喜びを、
感動までもっていくことはできないと思う。
最初から最後まで、
お客様の心が「安心」を保っている中で、初めて、
「Tierraにきてよかった」
「またあそこに行きたい」
という気持ちが生まれ、
Tierraでの時間が頭に残るような「感動」として、
お客様に感じていただけるんだと思うんです。
もちろん
デザインがあっての話なんですが。
そんな考えのもとで、お店として
お客様に感動してもらおうと、
頑張っているわけですが……。
チームワークについては、
お客様にまつわる一連の仕事の受け渡しの中で、
お客様に「不安」という心の壁を早い段階で、
取り払ってもらい、
「安心」を感じてもらえるようにと、
意識しています。
Tierraではそんな
「感動を生む仕組みプロセス」を
考えて取り組んでいます。
来店される前の予約の電話で、
安心感を与える応対をする。
↓
受付時に、安心感を与える誘導をする。
↓
担当スタイリストが
挨拶・笑顔をふくめ
安心感を与える応対をする。
↓
シャンプーで…
↓
技術で…
↓
アシスタントワークで…
↓
フィニッシュワークで…
↓
お会計で…
などなど。
仕事の受け渡しの中で、
どの段階でも、もちろん安心感を与えなくてはいけない
と思うんですが、
できればなるべく早い段階で、
心の中にある不安の壁を取り払って、
安心感で満たすことができれば、
一番いいのではないかと思っています。
そのために、
僕がやっていることは、
それぞれのポジションに対し、
お客様目線で見ること、その視点で感じる
アドバイスや指摘をします。
一番大切なのは、
スタッフ一人ひとりがマニュアルではなく、
本当に心からお客様に対して
感謝の気持ちが持てるかどうかだと思うんです。
お客様が来てくれているから
楽しいわけで、
お客様がきてくれているから
将来もあるわけで、
スタッフ同士が楽しいとか、
仲がいいっていうだけでは、何も生まれないんですね。
すべてはお客様が来てくれているということが
あっての話なんです。
それを一人ひとりがちゃんと理解して、
心から感謝をできないと、
僕らの目指すべきところには行けないと思うんですよ。
マニュアルじゃお客様には伝わらない。
心で伝えなくちゃ、何も伝わらない。
そういう気持ちの部分を、
常に言葉にして、
みんなに分かってもらえるように、
心がけています。
話が少しそれちゃいましたけど……
チームワークに関しては、
お互いの気分をうかがい過ぎて、
思っていることも伝えられない、
そういう遠慮がはじまっちゃうと、
やばいと思うんです。
お客様目線で考えて、
意見を言い合う。
チームの一人ひとりが、
考えていることを口に出しあう。
ぶつかったっていいんです。
ぶつかることだって時には必要だし、
ぶつかったからこそ次のステップの考え方が
出来るようになるっていうことも、
いっぱいあるじゃないですか。
例えば先輩から怒られた後輩を、
別の先輩が、
単純に「かわいそうだったね」って慰めて終わってしまうんだと、
チームワークって弱いものになってしまうと思います。
そうじゃなくて、
怒られた意味をしっかりと理解させたり、
次はどうしたらいのかを考えさせてみるとか、
そういう発展性のあるアドバイスをしてあげる方が、
チーム全体の力を強くしてくれると思うんですね。
そうやって、
飴と鞭の使い方を考えて、
今「好かれる先輩」よりも
ずっと先の将来に、
「感謝される先輩」になってほしいと思っています。
もちろん上下関係だけじゃなくて、
同期同士でもそうやって、
切磋琢磨していってほしい。
なんか変な言い方かもしれないけど、
誰だっておいしい思いはしたいんですよね。
甘やかしてやさしくしていれば
相手から好かれるし、
その時はおいしい思いをできている、
嫌な気分にならなくても済むし、楽しい、
そんな気がするのかなとは思います。
でも、そうやって好かれることばかり考えていても、
何も生まれてはこないんですよね。
それよりも、もっと、
将来この人と一緒に働けて良かったと思えるような
関係性を築いていってほしいと思うし、
そう思ってもらえるような人間性を、
身につけていってほしいと思います。
うちに関しては、
アシスタント間も
スタイリスト間も、
仲いい者同士っていうよりも、
プロの集団としてのチームワークを、
心がけてくれていると思うので、
しっかりやってくれているなとは思います。
Tierraも今、
第2章が始まったところです。
チームワークにおいてリーダーって、
本当に大切だと思うのですが、
ポジションごとに、
リーダーとなれる人間を作れるかどうかが、
これからのTierraにとっては、とても重要な課題なんですね。
そのリーダーとなれるスタッフを育てて、
組織力(チームワークの集合体だと思うのですが)のある
お店を作れるように
今、頑張っています。
僕は
お客様の目線に常に立って、
今あるチームワークが、
慰めあうだけの仲よしこよしのサークルみたいに
なりそうだな、という兆候を感じたら、
激を飛ばす!
といった感じでしょうか(笑)。
なってしまってからでは遅いので、
なる前にタイミングを見計らって
対応するようにしています。
結構観察力は大事にしていて、
カンがいいところもあるので、
早めに気がつけているとは思います。
例えばですが、
忙しくなく手が空いているようなとき、
楽しくわいわいしちゃうような雰囲気っていうのは
あまりよくないんですね。
暇な時間だからこそ、内部を固めようっていう意識を持って、
日ごろできない仕事の話をするとか、
後輩の悩んでいるポイントにアドバイスを出すとか、
仕事にまつわることに意識をもっていってほしい。
暇な時間でも仕事中なのだから、
もっと仕事としてやるべきことを
自分から探してやろうという雰囲気がないと、
まずいと思います。
お客様に接している時はもちろん、
お客様がいない暇な時間も、
「今後もっとお客様を喜ばせることに、
つなげるための時間」
として使ってもらいたいですね。
プロフェッショナルの集団としての
意識の集まりがあることが1つ、
チームワークがとれているということなんじゃないかなと、
思っています。
長文記録更新しちゃいましたね……(笑)。
岡村享央さんから榊原章哲さんへの質問
Question
(MINX central 岡村享央さん)1つのお店を任される立場になって、
それまでにはない状況になったと思います。
1つのお店をまとめていったり、
チームワークを取っていく中で、
一番大切にされていることは何でしょうか?
Answer
(Bivo 榊原章哲さん)岡村さんご指名ありがとうございます。
早いもので、BivoもOPENから、
1周年を迎えることができました。
最初の頃は
1つのお店を任せてもらう、
ということで、
すごく責任を感じていたし、
同時にプレッシャーも感じていました。
とりあえず、
スタッフみんなの意見を聞いて、
みんなが納得するようなお店を作りたい
みんなの思い描くサロンを実現したい。
そう思って、少しでも時間があれば、
スタッフと話をするようにしていましたね。
アシスタントや下の方のスタッフとも
上のポジションにいるスタイリストとも、
たくさんたくさん話をして、
みんなの意見をできるだけ聞くようにしていました。
だけど、うちのお店って
「reve と PHASE が統合したサロン」
として生まれたお店なので……
つまりそれまで5年間、
別のブランドで
それぞれ育ってきたスタッフの集まりなんです。
やっぱり育ってきた環境が全然違うから、
サロンワークのやり方や、
教育方針、技術……
いろんなところに違いがあったんですよ。
例えば、片方のお店は、
大きな声で「いらっしゃいませ!」と言って
お客様を出迎えましょう!
という方針でやっていても、
もう片方のお店は、
雰囲気を重視して自然な雰囲気で
「こんにちは」と声をかけるようにしていた……とか、
そういう本当に些細なところなんですけど……
ちょっとずつ違っていたんです。
まぁ、結局、お客様を楽しませたい、とか
お客様を喜ばせたい、っていう気持ちは
同じなんですけどね。
でも僕自身は、
そういう別々の環境で育ってきたスタッフたちだとしても
それぞれ意見を出し合ってもらって、
新しく“いいとこどり”したようなお店を作れたら!
と思ってやっていたんです。
でも半年くらい経って、
スタッフが辞めていってしまったんですね。
理由を尋ねると、
「お店の方向性と自分の方向性が違う」
と言われることが多かった……。
僕としては、
スタッフから意見を聞いて
少しでもみんながやりやすいお店を
作ろうと思っていたのに、
それはなぜかうまくは
いっていなかったんですね。
でも、それもそのはずなんです。
違うやり方をしている2つのお店から
スタッフを集めている以上、
1つのお店のやり方が通れば、
もう1つのお店のやり方は通らない。
その間で
どっちのやり方を多く採用するとか
差をつけたつもりはなくても、
やっぱり「方向性が違う」と感じるスタッフは
でてきてしまうんですよね。
スタッフの意見を聞き過ぎていた。
そう気付かされました。
方向性の2分しているスタッフ達の
意見に左右され過ぎてしまい、
お店としての方向性が、
どこを目指していけばいいのか、
それがぼけてしまったんですね。
要はまとめられてなかったんです。
引っ張っていけてなかった。
その時点での僕は、
それまでと、
何も変われていなかったんだと思います。
で、どうしたかっていうと、
みんなの意見を聞くのをやめた(笑)!
一人ひとりの意見を聞くことは、
もちろん大事だと思うんです。
でも、スタッフが働きやすい環境……
その前に!
お客様が来てくださる環境!
それを作ることの方を
優先しなくてはいけないんですよね。
だからちゃんとお店としての方向性を、
僕自身が考えて、
打ち出すようにしたんです。
あとこれは、岡村さんから聞いて、
すごく勉強になった話なんですが……
「全スタッフのうち、2割程度でいい。
それくらいの少ない人数でも、
自分の意見に賛同し、
下の子にもそれを浸透させてくれるスタッフを、
きっちり育てていけば、
全体がまとまって、
引っ張っていくことができると思うよ」
っていうお話で……。
これ、
聞いたばかりの時は、
お店ってそういうものなんだなぁ~と、
漠然と思っていただけでしたが、
本当に今、その通りじゃないかって、
実感しているんですよね。
で、僕も
下の子にも僕の意見を伝えてくれるであろう、
信頼できる子を何人か集めて、
しっかり僕の意見を伝えるようにしています。
スタッフ本位だったスタンスをやめて、
自分の意見をちゃんと語り、
賛同してもらう。
そしてついてきてもらう。
そういうスタンスに変えたんです。
やっぱり
いちばん大事なのは、
上に立って引っ張っていく側の人間が、
その眼でちゃんとお客様のことを見て、
考えて、
何が大事なのか、
何をしていくべきなのか、
それをしっかりした意見として、
下の子たちに伝えていくことなんだ
と、今は考えていますね。
でもまだ1年なので、
これで、まとめられているのかどうかっていうのは、
正直わからないな……とも思います。
本当にまだまだ
試行錯誤中なのですが。
それでも少しは、
まとまってる感じが、
目に見えるようになってきたかな?!
と最近は、
感じています。
ただやっぱり、
スタッフが楽しく働けているかどうかも
大事なポイントだと思うので……
レクリエーションの場では、
思いっきり羽目をはずして
スタッフみんなを楽しませるように頑張っています!
バーベキュー大会では僕、
みんなにから揚げ100個作っていったんですよ!
みんなを盛り上げるためなら、
おしりをだしちゃうことだって、
厭いません!!!
なんて(笑)。
そんな風にして、
日々、厳しく楽しくやっております!
角薫さんから岡村享央さんへの質問
Question
(ACQUA harajuku 角薫さん)お久しぶりです。
私は今、店長として、
1つのお店のスタッフをまとめる立場にいるのですが
岡村さんは総代表として
全店舗をまとめる立場にいらっしゃると思います。
MINXさんて、強い男性、強い女性がたくさんいる
イメージがあるのですが、
そんなスタッフを、チームワークをとって
まとめていくために、
どんなふうにしていらっしゃいますか。
うちとMINXさんは人数も近いので、
是非、お伺いしたいです。
Answer
(MINX central 岡村享央さん)どんな風にまとめているか……ですよね。
なんか、まとめようって考えは
そんなには持っていないんです。
人それぞれ好みとか、タイプって違うじゃないですか、
なので、できるだけいいとこを
伸ばしてあげようと思っているんです。
ようは、短所を見るより
長所を見てそれを伸ばしてあげる感じです。
ただ、まとめるという意識はないんですが、
なんだろう……
みんなの気持ちが1つであればいいというか、
進んで行く道順はそれぞれあっても、
みんなで同じゴールに向かって、
進んで行けるようにしないとな、とは思っています。
野球にたとえると、ストライクとるのに
ストレートを投げる人もいれば、
カーブを投げる人もいるし、
シュートを投げる人もいる。
最終的にストライクを取れればいいわけで、
どの球を投げるかは人それぞれ。
それと同じです。
こういうMINXの自由な雰囲気は、
ずっと昔から変わらないですね。
ヘアスタイル1つとっても昔からそう
俺はこれが好き、俺はあれが好きって、
みんなバラバラでした(笑)。
でも、そこは認めてあげなければいけないんです。
その中で、いいヘアスタイルを
つくる努力をすることが大切なんです。
ただ、自分のやることに対して
責任を持って欲しい、
ということは常に言っています。
あと、みんなで目指すゴールが、
何かというと、
色々あるんですが、やっぱり大きいものとしては
お客様の幸せ、スタッフの幸せになってきますね。
その中で、僕らのような立場の人間は、
もちろんお客様の幸せを大切にしますが、
スタッフの幸せを考えていかないと、いけないと思っています。
僕たちがスタッフの幸せを考えてあげないと、
スタッフがお客様を幸せにできないと思うんです。
なんて言うか、
スタッフがお客様を幸せにするためのサポートを、
僕ら上の人間がしてあげるって感じですかね。
僕は今、総代表という立場ですが、
普段はセントラル店にいます。
なので、セントラル店のスタッフと接することが
どうしても多くなってしまいますが、
いつもお店単位ではなく、
MINX全体のことを考えるようにしています。
もちろん総代表として、年に2回くらい
スタッフ全員の前で話すことがあります。
話す内容については、その都度変わりますし、
色々と細かいことも多いので(笑)、
ここでお話するのはやめておきます。
MINXは各店の代表が
舵取り役というか、家族にたとえるとお父さん。
「あそこに行くぞ!」って目標を定める人なんですね。
それで、店長がお母さん。
スタッフとコミュニケーションをとって、
お店をまとめて行く人。
総代表である僕は、各代表が決めたことを、
MINXとしてはどうなのかをジャッジする人。
まあ、分かりやすく言うとおじいちゃんです(笑)。
なので、全部のお店をまとめるというよりも、
下から上がってきた意見をもとにして、
MINX全体の方向性を定めていくという感じなんです。
今後どうやっていくかとかについては、
そうですね……、
うん、また別の機会にしましょう(笑)。
青木大輔さんから角薫さんへの質問
Question
(TIECHEL 青木大輔さん)女性店長として、チームワークをとっていく中で、
どんなふうにチーム内のバランスをとっていますか?
Answer
(ACQUA harajuku 角薫さん)青木さん、ご質問ありがとうございます!
女性店長として……
そうですね、
女性だからといって
特に意識しているところはないんですが、
女性だからこそっていう部分を
活かせているのかな?
と思うところはあります。
うちのサロンでは
2チームに分け、
それぞれリーダーを立てて
サロンワークをしてもらっているのですが、
その中でのチームワークに関しては
それぞれのリーダーたちに任せています。
あまり口出しすると、
リーダーの個性が育たないと思うので、
むしろ意識的に、
口出ししないようにしています。
でも、任せるためにも、
まずはリーダーに
私の思いをしっかり受け止めてもらって
方向性だけはぶれないようしています。
その上で、
下の子たちに指示を出してもらったり、
私の思いやお店の目標を伝えてもらったりしているんですね。
チームに関して私がいつも伝えること、
大事にしていることは、
一人ひとりの個性、オリジナリティを、
活かしたチームにしていくということ。
チームの方向性ばかりを重視して
型にはめていくというよりは、
一人ひとりの個性が集まって、チームになった時に、
どんなことができるだろうっていう視点で
チームをつくっていってほしいんです。
個性をつぶさないで、
長所を見つけて伸ばしてあげる。
得意分野って、それぞれあると思うんだけど、
まずはそこを活かしてあげる。
アシスタントの時代はそれなりに長いものだし、
美容師として長くやっていく中で、
成長はゆっくりでも、
していければいいものなので、
途中でパンクしちゃわないように、
あまり詰め込み過ぎない、
そんなスタンスでやっていきたいんですね。
だからどんなスタッフに対しても、
その子のいいところを最初に見るように、
心がけているし、
それを私だけじゃなくて
みんなにやってほしいなと思っています。
あと、一番下の
新入社員が、
ちゃんとモチベーションをあげていけるように、
ということは常に考えていて、
リーダーたちにも意識してもらっています。
リーダーが1人でモチベーションをあげていても、
空回りしちゃうんですよね。
でも一番下の子たちがモチベーションをあげていれば、
その少し上の子も、さらに上の子も、
みんな自分も頑張らなきゃって気持になっていくと思います。
だから一番下の子がどういう思いでやっているのか、
今の現状をどう受け止めているのか、
そういうことには、
目を光らせておかなくちゃいけないと思うんですね。
先日の表参道コレクションの際は、
私がリーダーになって、
これからっていう
選りすぐりのスタイリスト5人で
チームを組んで取り組みました。
2カ月くらい前から構成を練って
まとめようとしていたのですが、
最初は全然まとまりませんでした。
それというのも、
本当にみんな個性が強いから(笑)!
涙あり、ケンカありで、
いろんなドラマがあったんですが……。
自分の思い、コンセプトを
明確に伝えて、
一人ひとりの意見をしっかり聞いた上で、
なるべくそれを尊重する形で進めました。
5人の他にも、
ついてくれてるアシスタントの子もいるので、
まずは5人がまとまらなくちゃ始まらないですからね。
誰かがモチベーションを下げてたら、
他の誰かが話を聞いてあげたり、
そうやって支えあっていこう。
そういう方向性でまとめていきました。
後は何が今どういう状況になっているのか、
私が把握しておいて、
下のアシスタントの子たち
一人ひとりまで、
ちゃんとモチベーションを下げずについてこれるよう、
意識を張り巡らせていました。
私はありがたいことに、
下の子からよく相談を受けるんですね。
話しやすいと思ってくれているのか、
それこそ新入社員の子からも
いろんな悩みや意見をもらいます。
そこはやっぱり
私が女性だからなのかな……
と思うところです。
母性を感じてもらっているのかもしれませんね(笑)。
男性はどちらかというと、
自分の考えをバンッと押し出しちゃうっていう
タイプの人も多いような気がするので。
生まれた環境も育ってきた環境も
みんなそれぞれ違うのだから、
考え方や感じ方が違うのも
当り前。
そういう一人ひとりの目線の、
なるべく近くに立ってあげて、
自分の昔を思い出したりもしながら、
話を聞いてあげる……。
それが私の得意分野なのかもしれません。
だからそれを活かしてというのか、
もらった意見を
「こういう声も下からあがっているよ」っていうのを
私なりにリーダーに伝えることで、
チームワークに反映させていっています。
でも
なかなか難しいですよね、
チームワークって……。
あまり決まりごとをつくったり
マニュアル化していくよりは、
ひたすらみんなの夢や目標を達成して
幸せになろうよっていう、
気持ちでつながっていけたらいいなと思うのですが。
これはちょっと余談になりますが……。
前にちょっとお話させていただいたこともあるんですが、
私はよく「乙女塾」と称して、
女性スタッフ限定で、
家に招待し、自分のライフスタイルをちょっと公開する
ということをしているんですね。
それを今度男性に向けてもやろうと思っています。
「男塾」ですね!
これは初の試みですごく楽しみなんですが。
男性にも、
私は女性だし家庭も持ってるけど、
仕事も家庭もここまではやれてるよっていうのを
ちょっとみてもらってもいいかな!
と思って、企画してみました。
ちょっと後ろ向きになっている男の子に
何か感じてもらえるものがあるといいなと思っています。
でも最近は、
男の子達から、
すごくうれしい言葉を
かけてもらうことも多くなっています。
それは、
「角さん、家庭もあるんだから早く帰ってあげてください」
「僕達が頑張るんであとはもう大丈夫です」
「がんばって成長して、早く角さんを楽にさせてあげたいです」
っていう、
そんな言葉です。
そういう言葉を聞くと、
本当にうれしい。
思いやりが何よりうれしいし、
自分たちでしっかりしなきゃって
思ってくれているんだなと思うと、
なおさらうれしいですよね。
ここまで来るのは本当に時間がかかったけど、
こういううれしい言葉を聞くと、
報われる気がします。
正直自分がまとめているっていうような感覚は、
そこまで強く持っていません。
みんな私の性格とかも全部、
よくわかってくれていて
いっぱいフォローしてくれているし……
どちらかというと、
まとまろうとしているみんなを
サポートしているような、
そんなところも
今はあるんですよね。