高橋俊友さんからJUNさんへの質問
Question
(GARDEN 高橋俊友さん)JUNさんのカットには、こだわりを感じるというか、
独特の雰囲気を感じていて、
僕はその雰囲気に、すごく惹かれています。
なんていうか「デザインしている」ということが、
びしびし伝わってきて、
オリジナリティを感じるんです。
そんなJUNさんのカットに込められた思いや、
オリジナリティの部分を、
チームに浸透させたり、後輩に伝えていくとき、
どんな方法で行っているのでしょうか?
あと、カットに関して、今一番の悩みっていうのが、
もしあれば、この場を借りて、お聞きしたいです!
Answer
(Bivo PHASE JUNさん)俊ちゃんお久しぶりです。
なんかその……、
そう言って頂けると正直とてもうれしいです!
僕には
昔からなんですが、
美容師をやっている上で
ずっと、持ち続けている信念があります。
それは、別にこの業界で一番になりたいとか、
誰よりもうまくなりたいとか、
そんな大層なものではなくて、
ただこの仕事を通じて、
「僕らしさ」っていうのが
出せたらいいなというもの。
それを普段から思ってやっています。
キャラクター、姿勢、手さばき、
そしてデザインを通じて、
お客様に
「JUNさんらしいなぁ」
と感じていただきたい。
さらにその「僕らしさ」を好きだと思って頂けたら
それは何よりうれしいことだし、
そういうお客様とだと、
きっと長いお付き合いを
していけるのかなぁと思っています。
この仕事って、
やっぱり、アーティストだったりクリエーターだと
思うんですね。
結局たくさんいる美容師さんの中から、
「私に合うな」と感じてもらったり、
本質的に気に入ってもらえるかどうかは、
僕らしさをどれだけ感じてもらえるかだったり、
そこに、
プレミア感や
希少価値っていうものを
どれだけ感じてもらえるかだと思うんですよね。
生産性の高いものにはない、
類似品を生み出さない、オリジナリティや、
流行りに左右されすぎない、普遍的なもの。
そういうものを持っていないと
技術職としてはだめだと思うんです。
あと僕は、カットの前に
必ず一呼吸おいて、
「絶対目の前のお客様を今までで一番素敵にするぞ!」
と気合を入れるんですね。
僕らは1日に何人ものお客様を担当していますが、
お客様からしたら、そうではないわけですよ。
それをちゃんとわかった上で、
一人ひとりのお客様に対して、
しっかり気持ちを入れ替えて、
意気込みを持って担当するようにしています。
今は僕の仕事は主にカットになりますが、
今までもそれは同じで、
シャンプーでもカラーでもなんでも
自分がまかされた仕事に関しては
全部、同じようにしていました。
で、一呼吸おいてからカットに入るんですが、
僕は普段から、「髪を切る」ということに対して、
結構柔軟な考え方をしているんですね。
例えば、本当はどう考えたって、
セオリー的に真っ直ぐ切らなければならないポイントを、
技術が未熟なせいで、
波打つようなラインに、
切ってしまったスタイリストがいたとします。
確かに
「ちゃんと真っ直ぐ切れるように、
繰り返し練習しなきゃダメだよ!」
と、指導はします。
それが失敗した後輩に対する
一般的なセオリーだとも思います。
でも次の瞬間、その波打つように切られたカットラインに、
肯定的な可能性を見ているというか……
「そこをもうちょっとこんな感じに
デフォルメしたら可愛いかも……」
とか、考えてしまっているんですね。
なんていうか、
自分の枠から外れるものって、
否定的に見てしまいがちだけど、
例えば失敗やハプニングからでも
新しいデザインって生まれることもあるので、
1%でも可能性があれば、
それを活かしていきたいと思うんですね。
そしてどんなものからでも
その可能性を感じられるような
柔軟性を持っていたいと思います。
ベーシックって不変だと思うし、
何度も何度も繰り返し練習して、
体に覚えさせるものだと思うんですが、
「応用」って、無限に可能性があるものだと思うし、
僕はお客様に似合っていて
素敵であれば、
「なんでもあり」だと思っているんです。
うちの店って、皆さんご存じのように
かなりベーシックがしっかりしているサロンだと思うんです。
だからお店に入ると、
まずはうちのベーシックをみっちりマスターするんですね。
そこから始めて、それぞれ応用編に入っていくんですが。
Bivo PHASEの僕より若い子たちを見ていると、
結局その応用編さえも
ベーシックになってしまっているんですよね。
サロンの考える応用スタイルでしかないというか。
要は堅いんですね。
僕はよくアシスタントにこんな質問をします。
「ねぇ、どんなヘアデザインが好き?」
「どんなカットをしてみたい?」
これって美容師にとって、根本に当たる
近いようで遠いような
いわば持つべき大きな夢だと思うんです。
でも案外みんな、
あいまいな答えしかもってなかったり、
もしくは口を閉ざしてしまう傾向が強いんです。
基本的に今頑張っている人たちって、
みんな、
この仕事が好きで始めたと思います。
その始めた当初持っていたような、
気持ちの上での原点を、
ずっと持ち続けていないと、
どんどん仕事ってつまらなくなっていってしまう。
でもそれって
自分自身「つまらなくさせている」って、
思うんですよね。
例えばラーメン屋が店を始める時、
自分がどんなラーメン作りたいのか
それが分かってないと何も決まらないと思うんです。
でも逆に、それがちゃんと決まっていれば、
そこからインテリアもコスチュームも決まってくると思う。
自分がどんなものが好きで、
どんなものを作りたいのか、
それを分かっていて、
しっかり自分の中に持ち続けていることは
すごく大事なんですよね。
それがあれば、
仕事ってもっとわくわくできるものだと思うんです。
ベーシックなら、
ベテランのスタイリストになればなるほどできるもので、
じゃあベテランにやってもらえばいいっていう話になってしまう。
でもデビューしたての若い子には、
若い子ならではのものがあるはずなんですよね。
それが応用になってくると思うんですが。
当然売り上げもあげてほしいけど、
僕は若い子にそういうことを望んでいます。
若さがあるからこそできるようなこと。
今までうちになかったエッセンスをいれるとか、
自分らしさを存分に出して、
新しい風を吹かせてほしい。
デビューしたてでも、
新しくてかわいいスタイル作るよねっていう
そういうスタイリストになってほしいですね。
そういう姿は、下のアシスタントたちにも
すごく影響があると思うんですよね。
だから僕は、
どこまでそれができているのかは分からないけど、
カットというものを柔軟に受け止めて考えた中で、
無限の可能性を感じていたいし、
目の前のお客様に対して
自分らしさをこめつつ、
デザインをしているんだよ!
っていう姿勢を、スタッフに見せていきたい。
そういう僕の姿勢をみて、
何か感じてもらえることが少しでもできていればと思います。
そしてそれが、
スタッフのこれから歩んでいく長い美容人生に、
多少なりとも良い影響を与えることができればなと。
なんかカッコイイこと言っちゃってますが(笑)。
こういうことって言葉であれこれいうよりも、
大事なのは作るスタイルだと思うんです。
なんだかんだ言っても技術職なんで、
作るスタイルが可愛くなかったら、
ついてこないですしね。
いろんなことを考えながら、仕事というか、
教育をしています。
あ、もう一つの質問、
「カットに関して今一番の悩み」なんですが、
もっともっと自分自身の
デザインの引き出しを増やしたい! ということ。
さっきも言いました「好き」と感じるデザインを
増やしたい!!
実は最近自分がちょっと止まってしまってる気がするんですよ。
やっぱり上の人間が突っ走っている姿を
下にはいつも見せていきたいんで……。
俊ちゃん、素敵な質問ありがとうございます!!
こんな感じで大丈夫でしょうか?