河野悌己さんから薫森正義さんへの質問

  • 2007年06月11日

Question

(GARDEN 河野悌己さん)
うちのアシスタントにも「誰に質問まわしてほしい?」と
リサーチしたところ、
「Doubleの薫森さんがいい!」ということだったので、
シゲさんに質問です。
今、もっとものぼっているスタイリストさんであるシゲさんに。
アシスタント時代に
いろんなスタイリストさんについて、いろんな人を見て、
1年目、2年目、3年目と、
視点が変わってきたからこそ
今のシゲさんがあるんだと思うのですが、
そのあたり、どんな変化があったかを教えてほしいです。
できれば、長文でお願いします!!

Answer

(Double 薫森正義さん)
あら。河野さん、ありがとうございます。嬉しいです。

うちのお店に入ってもう8年目になるんですが
僕、一番最初はヘアメイクになりたくて、
ヘアメイクのある小さいサロンに入ったんです。
でも、そこでヘアメイクとサロンワークって
結構別物だってことを知ったんですよね。
で、ちょっとサロンワークをしてみて
サロンワーク楽しいな、って思って。
でも、サロンワークをするんだとしたら、
そのお店は自分には合わないなと思ったんです。
だから、サロンワークという観点で見て、
自分が好きだったHEARTSを受けなおしたんです。
ただ、ヘアメイクがやりたい気持ちも残っていたので、
撮影をしていて、雑誌にも出ていて、スタイルも好きで、という
そういう感じでHEARTSを選びました。
(編集部注:HEARTSとDoubleは姉妹店)
そうですね。最初は普通に山下さんに憧れて入った感じです。

1年目はとにかく
見るものすべてがすごくて。
スタイリストが作るスタイルがオシャレだなーと。
それしかなかったです。
HEARTSに来る前、最初にいたお店は
お客様も年配の方が多かったので、
HEARTSに来て、ヘアスタイルのオシャレさにびっくりしました。
今考えると、その1年目に感じた衝撃が、
今の僕のいろんなもののベースになっているな、と思います。
最初に教わることも、今までのお店とは全然違った。
僕、レザーカットって全然知らなかったんですよ。
だから純粋にレザーカットへの興味がすごくあって
先輩に質問しまくっていました。
そんな感じで、1年目はとりあえず、
すごい、すごいと思うだけでした。

2年目は、今CORにいる山本さんについたんです。
そこで、技術に対してのこだわりとか
デザインを追求していく貪欲さ、みたいなものを
目の当たりにしたんですけれども、
その当時はそういうことがあまりよくわかっていなくて、
いろいろ怒られながらの毎日だった。
実は僕、そのとき、一回辞めようと思ったんですよね。
毎日怒られて、メンタル的にも落ちて。
で、山本さんに「もう辞めたいです」って言ったんです。
そしたら山本さんが、
「せっかくHEARTSに入ったんだから
山下さんの仕事を1ヶ月だけでもいいから見て、
それから辞めたほうがいい」って、
僕を、山下さんがいるお店に異動させてくれたんですよね。
シャンプーマンとして山下さんの仕事を見たことはあったけど、
直接技術には入ったことがなくて、
辞めたいって言った僕のために、
そう言ってくれた山本さんの優しさに感動して、
もう一度頑張ろうかなって、思ったんですよね。
で、そこで異動させてもらって
山下さんのアシスタントにつかせてもらって。
今HEARTSにいる小川まやと一緒にアシスタントにつきました。

山下さんって、人を育てる天才なんですけど、
全く怒ったりしないんですよ。全く。
でも、その子がミスしたとしたら
その子がすごく考えるように、優しくアドバイスするんですよ。
とにかく考えさせることが上手。
山下さんだけではなく、Doubleの先輩たちはみんな
下の子に考えさせるということをたくさんさせてくれたと思います。

それで、次は自分がだんだん技術もできるようになってきた時に
今はLILIにいる、三好さんにつくようになったんです。
そこでは僕はもうスタイリスト直前でカットの練習をしていたので
サロンワークのカットは三好さんに細かく見ていただきました。
やっぱり1年めの時の見方とスタイリスト直前の見方はかわっていましたね。
1年目は可愛い、可愛くないということだけだったけど
スタイリストになる直前は、そのプロセスに興味が出てくる。
どうして可愛くなるのか、ということですよね。
そこを重点的に教えてもらう。
接客も、自分の作りたいスタイルに対する提案のもっていきかたとか、
そういうところを見るようになりました。

デビューの本当の直前は
Doubleで、いろんなスタイリストについたんですよ。
例えば、VANさんって、すごく提案力があるんですよね。
カットもVANさんは、
生えグセの強い人とか難しい骨格の人に対して
すごくわかりやすく提案をする。
そういう細かい提案のしかたを学びました。

これって、ちゃんと河野さんの質問に答えられているでしょうか?

うちの先輩たちって、直接答えをいわないんですよ。
アシスタントに対して。
だから自分で考えるってことをすごく教わったと思います。
優しい言葉はあまりかけてもらってなくても
「お前のことを本当に育てたいと思っている」ってことは、
痛いくらいわかるんです。
それからうちのスタイリストって、
アシスタントが興味をなくさないように
すごくはやいものをやってくれる。
「前とカットの感じ違いますよね」
とか、よく質問してましたもん。

アシスタントも大人になるとわかりますよね。
1年目、2年目って自分のことしか考えてなかったから
辞めなくてよかったって、本当に先輩に感謝してます。
だから今は、辞めたいって思っているアシスタントに対して
愛をもって怒ったり、アドバイスしたりすることを、
葛藤しながらやってます
アシスタントの興味が出るように
新しいことをしたりとか、新しい提案をする
いいもの作っていないと憧れられない。
自分にはそういう憧れの人が多かったということが
幸せだったと思います。